この記事では、外壁補修が必要な症状の深刻度診断から費用、業者の選び方まで詳しく解説します。
- 外壁補修が必要な症状の深刻度診断
- 症状の深刻度で決まる補修工法の種類
- 外壁補修の費用内訳
- 外壁補修の費用を抑える4つの方法
- 外壁補修業者を選ぶときに確認すべき4つの項目
- 外壁補修に関するよくある質問
- 外壁補修は早めの対応で費用を抑えよう
外壁補修が必要な症状の深刻度診断
外壁の劣化症状は、軽いものから緊急対応が必要なものまでさまざまです。
状態を正しく判断できないと、不要な工事で費用がかさんだり、対応が遅れて雨漏りや構造劣化を招いたりするおそれがあります。
外壁の代表的な劣化症状と、それぞれの深刻度は以下のとおりです。
・ひび割れ幅0.3mm未満|経過観察で問題ない
・0.3mm以上のひび割れ|雨水侵入リスクが高い
・コーキングの硬化や剥離|防水性能が危うい
・サビや穴・欠け|外壁材の損傷が深い
・チョーキングや塗膜剥がれ|塗り替え時期が近い
各症状の判断基準を理解することで、「すぐに業者へ連絡すべきか」「次の点検まで様子を見るべきか」を判断できるようになります。
ひび割れ幅0.3mm未満|経過観察で問題ない
幅0.3mm未満の微細なひび割れは「ヘアクラック」と呼ばれ、JASS5(日本建築学会の施工基準)でも許容範囲とされています。塗膜の乾燥収縮や、気温差による外壁材の膨張・収縮で自然に発生するもので、ただちに雨漏りが起きたり構造に影響が出たりするわけではありません。
ひび割れ幅の確認は簡単で、名刺の角を差し込んで入らなければ0.3mm未満です。
気になる場合は、市販のシーリング材を充填すれば応急処置として十分です。多くは次回の外壁塗装時に下地処理として補修されるため、現時点で業者へ依頼する必要はありません。
小さなひび割れを見つけると不安になりがちですが、幅0.3mm未満であれば、定期的に広がりがないかを確認するだけで問題ないでしょう。
0.3mm以上のひび割れ|雨水侵入リスクが高い
幅0.3mm以上のひび割れは「構造クラック」と呼ばれ、外壁材を貫通して雨水が内部へ侵入するおそれがあります。
放置すると雨水が室内側まで達し、天井や壁にシミが生じるだけでなく、下地の木材の腐食や鉄筋のサビにつながり、建物の強度低下を招くリスクがあります。
以下のような症状が見られる場合は、早めに専門業者へ診断を依頼しましょう。
・斜め45度方向に走るひび割れ(構造的な歪みの可能性がある)
・段差やズレを伴うひび割れ
・複数本が並行して発生しているひび割れ
・周辺に雨染みや変色が見られる
構造クラックの補修には、Uカット工法やVカット工法など、ひび割れ部分を広げてからシーリング材を充填する専門的な処置が必要です。市販のコーキング材で表面だけを埋めても内部の浸水は防げず、かえって劣化の発見を遅らせる可能性があります。
ひび割れが気になる場合は早めに専門業者へ相談し、補修範囲や費用について確認しましょう。
コーキングの硬化や剥離|防水性能が危うい
サイディングの目地やサッシ周りに充填されているコーキングは、耐用年数が約7〜10年とされています。築10年を超える住宅では、見た目に問題がなくても劣化が進行している可能性があります。
コーキングの劣化は段階的に進み、症状ごとに危険度が異なります。
| 症状 | 状態 | 危険度 |
|---|---|---|
| ひび割れ | 表面に細かな亀裂が入り、弾力を失い始めた初期症状 | 低 |
| 肉やせ | コーキングが痩せて目地の奥が見え、防水性能が低下した状態 | 中 |
| 剥離 | 外壁材との密着が切れ、雨水の侵入経路ができた危険な状態 | 高 |
剥離まで進行すると、内部の木材が腐食し、建物全体へ被害が広がるおそれがあります。
補修方法は「打ち増し」と「打ち替え」の2種類です。打ち増しは既存のコーキングの上から新しい材料を重ねる方法ですが、密着不良が起こりやすく、応急処置に近い対応といえます。一方、サイディング目地のように動きが大きい箇所では、古いコーキングを撤去して新しく充填する「打ち替え」が基本です。
コーキングの劣化症状や補修費用の目安については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
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外壁コーキングのひび割れはDIYで直せる?補修費用の相場とおすすめのコーキング剤を紹介
外壁コーキングの寿命は5〜10年については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
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外壁コーキングの寿命は5〜10年!劣化症状や放置リスク、補修費用を徹底解説
サビや穴・欠け|外壁材の損傷が深い
金属サイディングにサビが見られる場合は、「もらいサビ」か「赤サビ」かを見極めることが先決です。
もらいサビは、雨樋の金具や手すりなど周囲の金属から付着したもので、外壁材そのものの劣化ではありません。
一方、赤サビは塗膜が劣化して金属素地が露出した状態で、放置すると短期間で穴あきに進行するおそれがあります。
また、窯業系サイディングやモルタルに生じる穴や欠けは、飛来物の衝撃や凍害(内部の水分が凍結・膨張する現象)が主な原因です。
これらの損傷部分から雨水が浸入すると、下地の木材が腐食し、反りや浮きなどの不具合へとつながります。
補修の対応範囲は外壁材や損傷サイズで異なります。
| 外壁材 | 損傷サイズ | 部分補修の方法 |
|---|---|---|
| 金属系 | 5mm以下 | パテ充填のみ |
| 金属系 | 5〜20mm | 二段階充填+整形 |
| 金属系 | 20mm超 | 三段階パテ+研磨仕上げ |
| 窯業系・モルタル | 小〜中規模 | ポリマーセメント埋め戻し |
損傷が広範囲に及んでいる場合は、部分補修ではなくカバー工法や張り替えを検討する必要があります。
チョーキングや塗膜剥がれ|塗り替え時期が近い
外壁を手で触ったときに白い粉が付着する場合は、「チョーキング」と呼ばれる劣化のサインです。塗膜の樹脂が紫外線や雨風によって分解され、防水性能が低下している状態を示しています。
この段階になると部分補修では対応が難しく、外壁全体の塗り替えを検討すべきタイミングといえます。
防水性能が落ちた外壁では、カビ・コケ・藻が発生しやすくなります。特に窯業系サイディングは水分を吸収しやすく、反りやひび割れにつながるおそれがあります。また、ALCは吸水によって膨張し、耐久性が大きく低下するため注意が必要です。
一般的な塗料の耐用年数は10〜15年が目安です。以下の項目に複数当てはまる場合は、塗り替え時期と判断できます。
| チェック項目 | 確認方法 |
|---|---|
| チョーキング | 手で触ると白い粉が付く |
| 塗膜の浮き・剥がれ | 複数箇所で発生している |
| カビやコケ | 日陰面に広がっている |
| 塗装からの経過年数 | 10年以上経過している |
症状の深刻度で決まる補修工法の種類
外壁の劣化症状を把握したら、次は深刻度に応じた補修工法を選びましょう。
症状の進行度に応じた補修工法の種類とそれぞれの費用相場は下記のとおりです。
・【軽度】コーキング補修|5〜20万円が目安
・【中度】全体塗装|30坪60〜100万円が目安
・【中〜重度】カバー工法|30坪150〜200万円が目安
・【重度】外壁の張り替え|150〜300万円が目安
自宅の症状がどの工法に該当するかを把握すれば、業者への見積もり依頼もスムーズに進むでしょう。
【軽度】コーキング補修|5〜20万円が目安
コーキングの劣化が軽度であれば、部分的な補修で防水性能を回復できます。費用に幅があるのは、補修箇所の数や使用するシーリング材の種類によるものです。
工法には「打ち替え」と「増し打ち」の2種類があります。
| 項目 | 打ち替え | 増し打ち |
|---|---|---|
| 施工内容 | 既存材を撤去し新規充填 | 既存材の上から充填 |
| 費用目安 | 900〜1,200円/m | 500〜900円/m |
| 耐用年数 | 約7〜15年 | 約2〜5年 |
築10年以上でコーキングの劣化が進んでいる場合は、厚みを確保できる「打ち替え」が適しています。一方、サッシ周りなど撤去が難しい箇所では「増し打ち」が選ばれることが一般的です。
工期は1〜3日程度が目安です。なお、幅0.3mm程度の軽微なひび割れであればDIYでの応急処置も可能ですが、仕上がりや耐久性を重視する場合は専門業者への依頼が安心でしょう。
【中度】全体塗装|30坪60〜100万円が目安
全体塗装は、外壁全面に「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程を行う工法です。下塗りで下地との密着性を高め、中塗りで塗膜の厚みと色を整え、上塗りで防水性や防汚性を仕上げます。
30坪の住宅では、工期は10〜14日程度が目安です。足場の設置・撤去や高圧洗浄の期間も含まれます。
塗料のグレードによって耐用年数と費用が変わるため、築年数や今後の居住予定に応じて選ぶことが重要です。
| 塗料グレード | 耐用年数 | 向いている方 |
|---|---|---|
| シリコン系 | 10〜15年 | 費用を抑えたい方 |
| フッ素系 | 15〜20年 | 塗り替え回数を減らしたい方 |
| 無機系 | 20〜25年 | 長期間住み続ける方 |
チョーキングが見られる段階で全体塗装を行うのが、費用面でも合理的です。放置すると塗膜の劣化が進み、外壁材が水分を吸収して反りやひび割れを引き起こします。
その結果、カバー工法や張り替えが必要となり、工事規模が大きくなることで費用も150万円以上に膨らむ可能性があります。
【中〜重度】カバー工法|30坪150〜200万円が目安
カバー工法は、既存の外壁を撤去せず、その上から新しい外壁材を重ね張りする工法です。費用は150〜200万円程度で、張り替え(150〜300万円程度)と比べてコストを抑えられます。
廃材がほとんど出ないため処分費を削減でき、工期も1〜2週間程度と比較的短期間で施工可能です。また、既存外壁との間に空気層が生まれることで、断熱性や防音性の向上も期待できます。
ただし、適用できるのは下地や構造体が健全な場合に限られます。柱や防水シートまで劣化している場合は、重ね張りでは対応できず、張り替えが必要です。
全体的な塗膜剥がれや複数箇所のひび割れ・サビが見られても、打診時に浮きや空洞音がなければ、カバー工法の検討対象です。最終的な判断には現地調査が不可欠なため、構造体の状態を含めて専門業者に診断を依頼しましょう。
外壁カバー工法の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
▶関連記事
外壁カバー工法とは?金属サイディング(ガルバリウム)の費用・補助金を解説
【重度】外壁の張り替え|150〜300万円が目安
張り替えは、既存の外壁材をすべて撤去し、構造体の検査・補修を経て新しい外壁を施工する工法です。費用が150〜300万と最も高額になる理由は、廃材処分費に加え、工期が3〜4週間と長期にわたるためです。
ただ高いだけではありません。柱・土台・断熱材・防水シートといった構造体を直接目視で確認し、腐食やシロアリ被害があればその場で補修できる唯一の工法でもあります。カバー工法では既存壁の裏側に隠れた劣化を発見できず、下地が腐食している場合はそもそも施工自体ができません。
張り替えが必要となる代表的な症状は以下のとおりです。
| 症状 | 状態 |
|---|---|
| 構造体の腐食・カビ | 柱や土台にまで進行している |
| 広範囲の損傷 | 塗装やカバー工法では対応しきれない |
| 耐用年数超過 | 外壁材の耐用年数を大幅に超えている |
高額な工事だからこそ、火災保険や自治体の補助金が活用できるケースもあります。次のセクションで費用を抑える具体的な方法を確認していきましょう。
外壁補修の費用内訳
外壁補修の見積書に記載される主な費用は、以下の3つです。
・下地処理代|1〜10万円/箇所
・塗料代|2,200〜5,500円/㎡
・足場代|15〜25万円(30坪の場合)
症状の深刻度や外壁材の種類によって各項目の金額は変動します。あらかじめ相場感を把握しておくことで、見積もり内容の妥当性を判断しやすくなります。
下地処理代|1〜10万円/箇所
下地処理の費用は症状によって大きく異なり、軽微なひび割れであれば数千円程度、劣化が広範囲に及ぶ場合は10万円を超えることもあります。
費用に差が出る主な理由は、症状の種類や深さによって施工内容が大きく変わるためです。幅0.3mm未満のひび割れであればシーリング材の充填で対応できますが、0.3mm以上のクラックになると、Uカット工法などで溝を広げてから補修材を充填する工程が必要です。
また、サビ除去や穴・欠けの補修は手間がかかるため、1箇所あたり3〜6万円程度かかるケースもあります。
注意点として、下地の劣化は外壁材の内部まで進行していることが多く、実際の状態は高圧洗浄や施工時に初めて判明する場合があります。そのため、見積もりは初期段階では概算となり、現地調査後に確定するのが一般的です。
見積書に「下地処理:一式」とだけ記載されている場合は、症状ごとの費用内訳を業者に確認しておきましょう。
塗料代|2,200〜5,500円/㎡
塗料費は総費用の約30〜40%を占め、選ぶグレードによって耐久性と総額が大きく変わります。
主な塗料グレードの目安は以下のとおりです。
| グレード | 単価/㎡ | 耐用年数 |
|---|---|---|
| シリコン | 2,200〜3,500円 | 8〜12年 |
| フッ素 | 3,000〜5,000円 | 12〜18年 |
| 無機 | 3,800〜5,500円 | 18〜25年 |
築10年前後で初めて塗り替える場合は、費用と耐久性のバランスが取りやすいシリコン塗料が選ばれる傾向にあります。
一方で、塗り替え回数を減らしたい場合や、長期的なコストを抑えたい場合は、フッ素や無機塗料を検討するとよいでしょう。
塗装面積は「延べ床面積 × 1.2〜1.7」で概算できますが、軒天・雨樋・破風などの付帯部は別途加算される点に注意が必要です。
見積書では、塗料の商品名やグレード、塗装面積の算出根拠が明記されているかを確認しましょう。
足場代|15〜25万円(30坪の場合)
足場費は総費用の約15〜20%を占めます。30坪・2階建て住宅では、15〜25万円程度が相場です。
単価の目安は600〜1,000円/㎡で、30坪住宅の場合、足場面積は約275㎡が一般的です。
近年は安全基準の強化により、従来の簡易的な足場ではなく、本足場の設置が基本となっています。その影響で単価は上昇傾向にあり、以前より費用がかかりやすくなっています。
なお、足場が不要となるのは、1階部分の部分補修や手の届く範囲のコーキング補修などのケースに限られます。2階以上を含む工事では、原則として足場の設置が必要です。
見積もりを確認する際は、「単価 × 面積」の内訳が明記されているかをチェックしましょう。足場費は安全確保に直結するため、値引きが難しい項目でもあります。
外壁補修の費用を抑える4つの方法
外壁補修の費用は、対応のタイミングや活用する制度によって、数十万円の差が出ることがあります。
ここでは以下の4つの方法を紹介します。
・張り替えが必要となる前に早期対応する
・自然災害が原因であれば火災保険を申請する
・工事前に自治体の補助金を申請する
・相見積もりで費用の適正さを比較する
これらを事前に把握しておくことで、外壁補修の総費用を抑えることができます。
1. 張り替えが必要となる前に早期対応する
30坪の戸建てで全体塗装を行う場合、費用は60〜100万円程度が相場です。一方、劣化を放置して張り替えが必要になると、150〜300万円程度まで膨らみます。
費用が大きく増える主な理由は、雨水の侵入による下地の劣化です。ひび割れやコーキングの隙間から水が入り込むと、防水シートや下地の木材までダメージが及び、腐食が進行します。
こうなると外壁材の交換だけでは済まず、下地補修が追加され、1箇所あたり数万円単位の追加費用がかかります。
補修後は、年1回の目視点検と施工記録の保管を習慣にしましょう。塗料の種類や施工時期を把握しておくことで、次回の塗り替え時期を適切に判断でき、劣化の再発を防ぎやすくなります。
2. 自然災害が原因であれば火災保険を申請する
台風・雹・落雷などの自然災害による外壁の破損は、火災保険の補償対象となる場合があります。
一方で、経年劣化や老朽化による塗膜の剥がれ・ひび割れは対象外です。また、地震・噴火・津波による被害は火災保険では補償されず、別途地震保険への加入が必要です。
申請の基本的な流れは以下のとおりです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 被害記録 | 写真・動画で損傷箇所を記録する |
| 2. 保険会社連絡 | 適用範囲と必要書類を確認する |
| 3. 書類提出 | 修理業者の見積書を取得し提出する |
| 4. 現地調査 | 保険鑑定人による調査で補償金額が決定 |
| 5. 保険金支払い | 審査通過後に支払い(3年以内の申請が条件) |
火災保険の適用条件や注意点については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
▶関連記事
外壁塗装で火災保険は適用される?条件や申請手順・注意点を解説
3. 工事前に自治体の補助金を申請する
自治体のリフォーム補助金は省エネ・断熱改修に関連する助成が中心で、補助率は10~50%、上限は自治体により異なりますが国の主要制度では最大100~160万円程度です。
外壁塗装単体では対象外となるケースが多く、断熱材工事や窓改修との組み合わせが条件です。
着工後では申請できないため、業者と契約する前に自治体へ確認しましょう。
制度の内容は自治体ごとに異なるため、「自治体名+リフォーム+補助金」で検索し、対象工事・申請期限・必要書類を事前に確認することが重要です。
また、予算上限に達すると受付が終了する場合も多いため、検討段階から早めに動くことをおすすめします。
4. 相見積もりで費用の適正さを比較する
見積もりは最低でも3社から取得するのが基本です。1〜2社だけでは相場が分かりにくく、提示された金額の妥当性を判断できません。
見積書を比較する際は、総額だけでなく内訳も確認しましょう。塗料のメーカーや商品名、下地処理の方法、足場費、保証内容などを横並びで整理すると、価格差の理由が見えてきます。
また、極端に安い見積もりや高すぎる見積もりには注意が必要です。安すぎる場合は工程の省略や品質低下の可能性があり、高すぎる場合は不要な工事が含まれていることもあります。複数社の中間価格帯を基準にすると、適正な相場が把握しやすくなります。
比較結果をもとに、「他社では足場費が○万円だが、なぜ差があるのか」といった具体的な質問を行うことで、業者の説明の妥当性も判断しやすくなります。
外壁補修業者を選ぶときに確認すべき4つの項目
外壁補修は業者ごとに技術力や価格設定に差があり、選定を誤ると仕上がりや耐久性に大きく影響します。
ここでは、業者選びで確認すべき4つのポイントを解説します。
・建設業許可と専門資格の有無
・費用内訳の明確さ
・施工実績と保証内容の開示
・不当な値引きや即決契約の勧誘の有無
契約前にこれらを確認することで、信頼できる業者を適正な価格で選びやすくなります。
1. 建設業許可と専門資格の有無
塗装工事業の建設業許可を取得しているかどうかは、業者の信頼性を判断する基本的なポイントです。請負金額500万円(税込)以上の工事には許可が必要で、取得には一定の経営経験や専任技術者の配置、資本要件などが求められます。
許可番号は国土交通省や都道府県の公式サイトで確認できるため、見積書やホームページに記載があるかをチェックしておきましょう。
また、「外装劣化診断士」などの資格も判断材料の1つです。建物の知識や診断に関する試験に合格し、継続的な更新が必要な資格のため、一定の知識を有しているかの目安になります。
ただし、資格の有無だけで判断はできません。現地調査で屋根裏や基礎部分まで確認しているか、診断書に写真付きで劣化状況が記載されているかなど、実務対応の質まで含めて総合的に判断しましょう。
2. 費用内訳の明確さ
見積書に「外壁塗装一式 ○万円」とだけ記載されている場合、内訳が不明確なまま契約に進んでしまうおそれがあります。
その結果、「下地の傷みが想定より大きかった」として追加費用を請求されるなどのトラブルにつながるケースも少なくありません。
信頼できる業者の見積書には、以下のような項目が個別に記載されています。
| 確認項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 費用内訳 | ・足場設置費 ・高圧洗浄費 ・下地処理費 ・塗料費 ・人件費 ・諸経費などの内訳 |
| 塗料情報 | メーカー名・製品名・グレード・塗装回数 |
| 追加費用の条件 | 塗膜の劣化状況やひび割れ補修、防水処理などの発生条件 |
複数社を比較する際は、塗料グレードや施工方法などの条件をそろえたうえで、金額差の理由を確認することが重要です。
説明が具体的で丁寧な業者ほど、工事後の追加請求リスクも低い傾向があります。
3. 施工実績と保証内容の開示
施工前後の写真や対応地域、工事規模などが業者のホームページに掲載されているかを確認しましょう。実績を詳しく公開している業者ほど、技術力や対応に自信を持っている傾向があります。
保証には「メーカー保証」と「自社保証」の2種類があります。メーカー保証は塗膜の剥離や膨れを対象に5〜10年程度、自社保証は施工不良や仕上がりの不具合を対象に同程度の期間が設定されるのが一般的です。
ただし、「保証あり」と記載されているだけでは十分ではありません。対象となる不具合や適用条件が明記されているかを、保証書で確認することが重要です。なお、自然災害や経年による色あせは対象外となるケースが多いため注意が必要です。
また、施工管理体制も確認しておきましょう。「現場監督は専任で配置されるか」「施工日誌は共有されるか」などを事前に確認することで、品質管理への姿勢がわかります。
4. 不当な値引きや即決契約の勧誘の有無
「今日中に契約すれば半額」「キャンペーンは本日限り」など、即決を迫る営業には注意が必要です。こうした手法は、冷静に判断する時間を与えず、相場より高い金額で契約させることを目的としています。
実際に、2024年度における国民生活センターへの塗装工事に関する相談件数は1,117件にのぼります。
万が一契約してしまった場合でも、訪問販売や電話勧誘による契約であれば、契約書を受け取ってから8日以内はクーリングオフが可能です。工事が始まっていても適用され、原状回復費用は業者側が負担します。
ただし、自分から店舗へ出向いて契約した場合は対象外です。焦らされてもその場で判断せず、複数社の見積もりを比較したうえで検討しましょう。
参考:国民生活センター「2024年度 全国の消費生活相談の状況 ーPIO-NETよりー」
外壁補修に関するよくある質問
外壁補修について、多くの方が疑問に感じやすいポイントをQ&A形式で解説します。
事前に確認しておくことで、業者との打ち合わせや見積もり比較の際もスムーズに判断しやすくなります。
外壁補修は何年ごとに必要ですか?
外壁のメンテナンス周期は、外壁材の種類によって異なります。主な目安は以下のとおりです。
・窯業系サイディング:7〜10年(継ぎ目があり硬い質感)
・金属系サイディング:約10年(金属音がして軽い)
・モルタル:10〜15年(継ぎ目がなくざらつきがある)
・ALC:10〜15年(厚みがあり目地幅が広い)
一般的には、築10年前後が最初のメンテナンスの目安とされています。
築10年を超えた場合は、一度専門業者による外壁診断を受けるのがおすすめです。多くの業者が無料〜1万円程度で対応しており、劣化の進行度合いを客観的に確認できます。
ご自宅の外壁材と築年数を照らし合わせ、メンテナンス時期を過ぎている場合は、早めの点検を検討しましょう。
外壁補修はDIYでもできますか?
幅0.3mm未満のヘアクラックや、手の届く範囲のコーキング劣化であれば、市販のシーリング材を使った応急処置は可能です。
ただし、DIY補修の耐久性は1〜3年程度にとどまり、業者による本格的な補修(10年以上)と比べて大きな差があります。
以下のような場合は、安全性と耐久性の観点から、専門業者への依頼をおすすめします。
・幅0.3mm以上のひび割れ(構造クラック)
・2階以上の高所作業が必要な場合
・サイディングの張り替えなど大規模な補修
特に構造クラックは再発しやすく、表面を埋めるだけでは不十分です。また、高所作業は転落のリスクが高く、DIYには適していない作業です。
DIYはあくまで「次の点検までの応急対応」と考え、雨水の侵入を一時的に防ぎながら、早めに専門業者へ相談しましょう。
外壁補修のDIYに関する詳しいメリット・デメリットは以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。
▶関連記事
外壁補修の方法を劣化症状別に紹介!DIYするメリット・デメリットも
外壁補修と屋根補修は同時にやるべきですか?
外壁と屋根の劣化時期が近い場合は、同時施工がおすすめです。
理由は、足場費を削減できるためです。足場の設置には1回あたり15〜25万円程度かかるため、別々に工事を行うと2回分の費用が発生します。同時施工であれば足場を共用でき、20〜30万円程度のコスト削減につながります。
外壁と屋根はいずれも、築10〜15年前後でメンテナンス時期を迎えるケースが多く、劣化のタイミングが重なりがちです。片方だけ先に施工すると、数年後に再度足場を設置する必要が生じ、結果的に費用が増える可能性があります。
工期は単独施工より5〜10日ほど長くなり、全体で10〜14日程度が目安です。洗濯物を干せない期間が延びるなど、生活への影響もあるため、事前に確認しておきましょう。
一方で、屋根の劣化が軽微で補修時期が5年以上先の場合は、無理に同時施工する必要はありません。業者による点検を受け、劣化状況に応じて判断することが大切です。
工事中の洗濯物や換気はどうすればいいですか?
足場とメッシュシートが設置される期間(2〜3週間程度)は、外に洗濯物を干すことができません。高圧洗浄時の水はねや、塗装中の塗料の飛散により、衣類が汚れるおそれがあるためです。
この期間は、室内干しやコインランドリーの利用を事前に準備しておきましょう。
換気についても制限があり、高圧洗浄日や塗装作業中は窓を開けられないケースが一般的です。合計で5〜10日程度は閉め切りになるため、換気扇やエアコンを活用して室内の空気を循環させる必要があります。
また、事前に相談すれば、一部の窓だけ養生を調整して換気できるよう配慮してもらえる場合もあります。
工事前の打ち合わせでは、以下の点を確認しておくと安心です。
・外干しができない期間と工程
・窓の開閉が制限される日数
・換気に使える窓の有無
・臭いが強くなる作業日の事前連絡の有無
生活への影響を事前に把握しておくことで、工事期間中のストレスを軽減できます。
外壁補修は早めの対応で費用を抑えよう
外壁補修の症状診断から費用相場、業者選びで確認すべき項目まで解説しました。
幅0.3mm未満のひび割れなら経過観察で問題ありませんが、放置して構造クラックや雨水侵入に進行すると張り替えで150〜300万円程度の出費になりかねません。
ただし、安さだけで施工店を選ぶと手抜き工事や不当な追加請求のリスクがあるため、慎重に業者を選ぶことが大切です。
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